ムーチーだからって、必ず寒くならなくてもいいじゃない。と言うくらい寒いんですよ。

鬼餅(ムーチー)の日になると、前日がどれだけ暖かくても、絶対に寒くなるのはスゴイと思います。

とは言え、自分はムーチー苦手。だから買ってまでは食べないのですが。

本日は鬼餅とかいてムーチーと読む日。旧暦の12月8日は、ムーチービーサーでヒーサガタガタな県民は多いはず。この日は何故か、毎年寒くなる訳ですが、そういう寒さを鬼餅寒と書いて「ムーチービーサー」と言います。

で、この時に食べるのが「鬼餅」と呼ばれるお餅。

餅と言っても、臼と杵を使って餅米をぺったらこ〜ぺったらこ〜♪と搗いてつくるものではなく、白玉粉を使って作るお餅です。

で、このムーチーですが、これが一個で結構お腹いっぱいになってしまいます。いくらスーパーで大量のムーチーが売ってようが、ムーチーは1個食べるのが精一杯。

幾つも貰ったりすると、全部消費するのに何日かかるのかって考えるだけで一瞬気が遠くなってしまうわけですよ。

ところで、鬼餅って何?って県外の人は思うはず。

と言うわけで、本日は鬼餅のお話。

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鬼餅(ムーチー)とは?

鬼餅っていうのは、沖縄ではポピュラーな餅の一つです。

作り方は、

  1. こねこねした白玉粉(餅粉)に白砂糖や黒砂糖、紅芋なんかを混ぜ混ぜして味を付けます。
  2. 作った餅ペーストをサンニン(月桃)の葉っぱにくっつけて巻き巻きします。
  3. そ量産したムーチー包みをでっかい蒸し器の中に並べ、蒸し蒸しします。

そうやって出来上がったムーチーは、結構独特の匂いがします。

何故なら、サンニンの匂いが思いっきり付くから!

この匂い、普通に嗅ぐ分には良い匂いなのですが、食べるとなると結構癖が強い!サンニンの匂いが苦手な場合は食べるのが割と辛いんですよ。

それにムーチーはお餅なので、腹持ちが半端ない。美味しいものに巡り会えると美味しいんだけど、いっぱいは食べられません。うっぷ……

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ところでサンニン(月桃)って何?

ムーチーの包みに使うのは、月桃という植物の葉っぱです。サンニンは沖縄の方言。

月桃はショウガ科の植物で、沖縄では色んなトコロに自生しています。もちろん、昔から建ってるお家には、一本くらいは必ずあったりします。

我が家にもあります。そして何故か最近増殖してます。おかしいな……株分けなんてしてないはずなのに。

この月桃という植物は、結構独特な匂いがします。匂いは……仄かに甘い感じというかそんな感じ。

最近では抽出エキスでアロマオイルや香料、美容液何かも作られていて、地味に沖縄の特産品として売られていたりもします。因みに虫除け効果もあるので、夏場は害虫よけに使ったりもします。

また、月桃の線香というのもあります。

なので、月桃と言えば、ムーチーか線香のイメージ!匂いを嗅ぐともれなく、ムーチーか線香を思い出してしまうわけです。

餅の話に戻すけど、ムーチーって日持ちはするの?

話は餅に戻して。

ムーチーは昔は各家で沢山作っていました。でも最近は、スーパーで買うことが多いです。

幼稚園ではムーチー作り体験とかもあるので、ムーチーの時期になったら園児がわっせわっせと作って食べたりもします。

そんなムーチーですが、おばぁが居る家ではおばぁが作る事が多いです。買うより作る。

そうなると、必然的にいっぱいのムーチーが生産されることになることもしばしば。で、こうやって大量に作られたムーチーがどうなるかというと、

 
問答無用で配布され、強制お持ち帰りコース

になることが多いです。

食べきれる量を作るなんてことは……今はあるのだろうか?

でも大体沢山作られてしまうと、要らないっていっても無理矢理持たされる事が多いです。それも結構な量を。そんなムーチーを一日で食べきることは難しいです。だって餅だしね。

そうなってくると、これって日持ちするの?って疑問が出てきますよね?

ムーチーは一応日持ちする食べ物です。

常温保存なら3〜4日は普通に持ちます。持つんです。しかも季節は冬だからね。持つよね。

ただし。3〜4日以内に食べきれる場合は常温保存でもOKですが、消費にそれ以上かかってしまいそうな場合は当然腐ります。食品だからね。

3〜4日を過ぎてしまいそうな場合は、冷凍庫に保管しておいて、食べるときにレンジで解凍で食べることできるそうですよ。

そんなムーチーの由来って何?ってかそもそも何故鬼餅って書いてムーチーなの?

それでは、この辺りでムーチーの由来についてでも。

ムーチーの由来は鬼の話が由来っていうのが一般的で、そんな話の内容はこんな感じです。

むか〜しむかし。

とある村に、兄と妹が暮らしておりました。

両親は早くに亡くなり、生活は兄妹二人きり。

妹は年頃になると久高の島へと嫁いでいきましたが、残された兄は、妹が居なくなった事でやさぐれて鬼になってしまったそうで。

鬼になった兄は、よその家から山羊を盗んじゃ食い、豚を盗んじゃ食いを繰り返しておりましたが、ついに食べるものがなくなると、今度は人間の子供をさらって食うとようになったとかならなかったとか。

そんな噂は瞬く間に広がり、妹の住む久高の島まで届いたのです。

噂を知った妹は深く悲しみました。

「私のお兄さんが、そんな恐ろしいことをしているなんて…」

家畜ならば生きていくために食べるのは仕方ない。でも、人を食べるのはいけない。

私がなんとかしなければ。

そう思った妹は、兄の元へと急ぎます。

「お兄さん! お兄さん!」

自分の元へと帰ってきた妹を見て、兄は嬉しそうにこう答えました。

「良いところに来たな、妹よ。丁度飯を作っているから、お前も食べて行きなさい」

「何を作っているの? 見ても良いかしら」

そう言って手招きする兄の元に近寄り鍋を覗き込んだ妹は、驚いて言葉を失ってしまいます。

『これは、人間の子供じゃない!?』

兄の料理に使われていた食材は人間の子供。兄は、噂通り人の子をさらい、殺して食べていたのでした。

『このままでは私の子供までもが、兄に食べられてしまう』

命の危険を感じた妹は、必死の思いで兄の元から逃げ出します。

それから幾日か経ってからのこと。

妹はもう一度兄の元を尋ねることにしました。兄の大好きな餅を持って。

兄に食べさせる餅には瓦を、自分用のは普通の餅を包み、「景色を眺めながら一緒に餅を食べよう」と金城バンタへ向かう二人。

兄は妹の持って来た瓦入りの餅を、とても美味しそうに平らげていきます。

それを見た妹はとても悲しくなりました。

『瓦入りの餅を美味しそうに食べるなんて…兄さんは本当に鬼になってしまったんだね…』

悲しみに表情を暗くする妹とは違い、好物の餅を美味そうに平らげていた兄は、ふと妹が着物の裾前をはだけて座っていることに気付き眉をひそめます。

「あい。お前の下は何か?」

兄にそう聞かれたことで、妹は意を決したように顔を上げ、こう答えました。

「ここは、鬼を食べるところだよ!」

言葉を言い終わると同時に、妹は兄を金城バンタから突き落とし殺してしまいました。トサ。

お話は適当に抜粋していますが、まぁ、なんというかちょっとだけ下いお話な訳です。

で、鬼餅っていう由来は、この兄妹の話が由来になっています。

なので、鬼を払うために、鬼餅を軒先にぶら下げ「鬼はくるんじゃねぇぞ!」って魔除け替わりにしてたということのようです。

何かハロウィンみたいだね!と思ったのはココだけの話。

ムーチーの話を抜粋するときに参考にいたしました。

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因みに、鬼餅には健康祈願や厄払いの意味もあるよ

鬼を祓うムーチーには、モチロン、健康祈願や厄除けの意味もあったりします。

子供の頃は天井からムーチーをぶら下げたり、赤ちゃんが居る家だと、「初ムーチー」と言ってみんなに配ったりもするんですよ。

そんなわけで、今日はムーチー。

自分は買っていませんが、スーパーには、ばっちり大量のムーチー置いてありましたよ〜

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