読みにくい文章になるのは、難しい漢字を使っているからじゃない

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おかげさまで、何やら同人小説関係で調べ物をしている方に来ていただいている猫壁なのでありますが、作った当初のメインは実は猫……。

といいつつ、初期記事は殆どがWordPress関係なんですよね。結局、書きたい時に書きたいことを生産している感じなので、どこにブレても問題は無いっちゃあ無い訳なんですが。

で、今現在の状況だと、好評(?)いただいている記事ジャンルは同人関連のモノであります。

 
こ……これは、同人カテゴリに力を入れた方が良い系ですか?

日々、何を書こうと考えて思いつかないのなら、思い切ってそっちの方向に舵を切るのもありか!と思い至ったので、ネタが思いつかなくなるまでのんびり同人カテゴリの更新をしていこうかなと考え中。だから猫はというツッコミは置いといて。

相変わらず前置きが長いけど、本日は、書いたお話の文章が読みにくいのは何故なのかという話でも。

 

お話を書いてみたい!そう思って書いてみたけれど……

素敵なお話に出会ったりすると、嬉しかったり、悲しかったり。キャラクターの気持ちがわかるから一緒になって怒ったりほっとしたり。そいういう経験ってありませんか?

お話を読むことが好きな人は、こういう経験をたくさんしていると思います。

で、そういう素敵なお話を沢山読んでいると、ふと「自分もこういう話を書いてみたい」と思ったりしませんか?

同人活動的なきっかけって、そういう小さな興味だと思うのですが、じゃあ、いざ自分でお話を作ってみようとペンを手にしたり、キーボードに手を置いたりすると、「あれ?どうやって書けば良いんだろう?」ってなったりすることもあるのではないでしょうか。

中には、テンションが上がってるときに一気に書き上げてしまう人もいるとは思いますが、「同人 小説 書き方」で検索すると、書き方やアドバイスを丁寧に説明して下さっているサイトさんが沢山あるので、書き方を知りたいと思って方法を探している人は少なからずいるのかなと。

 

さて。書き方で検索してみると、結構多いのが文章の書き方(まとめ方)や、お話の骨格の作り方などでしょうか。あとは、小説を本にするためにはといった、実作業的な技術講座も結構ありました。

こういった情報は、初めて小説を書いてみよう!と思っている立場で考えると、全てが自分の知識や技術になっていくための材料なので、とても有り難いものですよね。

なので、紹介されている方法を実践していけば、文章の骨格というものを組み立てることが出来る様になるはずです。

でもそれは、面白くて読みやすい話を作れるかどうかは別の話だと個人的には思っています。

 

読みにくい小説の特徴とは?

ところで。素人小説は読みにくいと感じてしまうという話を聞いたことありませんか?

同人小説は、プロの作家さんが書いているものよりも、圧倒的に素人さんが好きを沢山詰め込んで書いているものの方が多いです。なので、何かしら読みにくいなという印象を持たれることがあります。

じゃあ、なんで読みにくいという印象を持たれてしまうのかというと、文章が洗練されていないと感じてしまうから。そんな風に考えたことはありませんか?

小説の書き方の技術を教えてくれるサイトさんを拝見していると、読みにくい小説の特徴を細かく説明してくれている場合が多いです。例えば、読みにくい小説の特徴として…

  • 説明がクドい
  • 文章(一節)が長い・句読点が少なすぎる
  • 台詞ばかりが続いている
  • 表現がつたない(下手)
  • 漢字が多い
  • 言い回しが難しすぎる
  • 人称がぶれる
  • 場面の切り替えが早い

などがあるようです。その他にも色々あるみたいですが、そこはもう出せば出すほど出てくるっぽいのでカットカット。

とはいえ、これって、実は読み手側の好みによって、感じ方が異なる部分も結構含まれていたりします。その辺は追々まとめるとして、取りあえず次へ。

 

作った作品は、読みやすい文章ですか?面白い文章ですか?

では。自分が一生懸命書いたお話が、読んでくれる相手に読みにくいと思われてしまった場合、どうしたらいいのかでしょうか。

それは、文章を読みやすく改善していくことが一番早い解決法になります。

ここで始めて、「読みやすい文章とは?」という疑問に対しての答えを探し始めるという訳ですね。

そうやって探して見つけたものが、文章の書き方講座や書き方を紹介してる本だと思います。

こう言ったサイトや本には、文章をより美しくまとめるための技術が紹介されているので、この技術を習得出来れば、これ以降に組み立てる文章は、勢いだけで書いたものよりも何倍も読みやすく作る事が出来る様になるはず。

でも……

 
文章をまとめ直したのに、感想は読みやすい文章ですね以外来ないんですが…

 

読みやすいは、面白いと同じ意味ではない場合もある

小説を書くルールに則って一生懸命作り直したのに、読んで貰った感想が「読みやすいですね」以外無いんです。

こういったもやもやを抱えている書き手さんって結構多いんでしょうか。割とツイッターとかでそういうRTを見たり、まとめなどで目にすることも多いですよね。

自分の中の表現したいものを、せっかく文章という形でアウトプットして一つにまとめたのに、その世界感やイメージが相手に伝わっているのかどうかが分からない。そんな風に感じてしまう感想として「読みやすかったです」という言葉があるようです。

これをプラスととるかマイナスと感じるかでモチベーションが変わってくるのはさておき、何故、「読みやすかったです」という感想だけに留まってしまうのかというところを、突き詰めて考えてみた事ってありますか?

読みやすい文章というのは、文字や文章を素直に受け入れることが出来るものであって、必ずしもそれが面白いものであるということではないんだと思います。

どういう事かというと、大雑把に言えば、読めるけど感情は動かなかったよ。と言うこと。

 

ほいでは。こういうモノを用意してみることにします。

「夏・暑い・空・涼しくなった」

このキーワードで即席で話を組み立ててみます。

今年も夏がやってきた。気温が30度を超えているのだから、当然暑いと感じる。空には雲なんて一つも無いし、大きな太陽が頭上にあってとても眩しい。

「どこかで休みたいなぁ…」

さっきから休める場所を探しているのに、陰の一つも見つからない。

ふらふらと歩き続けていると、ずっと向こうに自販機があることに気がつく。ポケットの中には、ちょうど缶ジュースが一本買えるだけの小銭があった。

「よし! これで何か飲み物を買おう!」

自動販売機まで早歩きで向かい、たくさん並んでいる商品から、今一番飲みたいと思ったものを買う。

ガコンッ。

音を立てて受け取り口に落ちてくる缶を手に取ると、キンキンに冷えて気持ちいい。缶を開けて一口飲めば、さっきまで暑かったはずなのに、なんだか涼しくなったと感じた。

どうでしょうか?

この文章は、先ほどのキーワードを使って、できるだけ分かりやすく組み立てたものです。

難しい漢字はほとんど使わず、状況の説明描写も直接的な言葉で簡素にまとめたつもりです。何が起こっているのか、この人物が何を考えているのかが比較的分かりやすいと感じてもらえたなら、この文章はこの時点で目的を達成しています。

ただ、この目的は、読みやすい文章を作るという部分に於いてです。

では、次に同じキーワードを別の書き方で起こしてみます。

梅雨も終わり、雲一つ無い青い空が広がっている。肌をさす感覚はこの季節特有のもので、気がつくと汗が噴き出し流れ落ちる。頭上には輝く太陽。あまりの眩しさに目を開くことも難しく、自然とまぶたが細くなってしまう。

「どこかで休みたいなぁ……」

先ほどから休憩が出来る場所を探しているのだが、どこにもそういった場所が見つからない。足を下ろす度に地面から伝わる熱。それが足の裏に感じられることで、より一層体が火照って仕方が無い。

ふらつく足を動かし歩き続けていると、ずっと向こう……前方に自動販売機があることに気付いた。無意識に手を入れたポケット。そこから掴み出した小銭に視線を落とすと、その合計額は、丁度缶ジュースが一本買えるだけの金額。

「よし! これで何か飲み物を買おう!」

自動販売機の存在に気付いた瞬間強くなる喉の渇き。それを早く癒やしたいと願うのか、自然と足取りが速くなる。

たどり着いた自動販売機の前で商品を眺めながら小銭を入れると、持っていた金額で買える商品の場所だけランプが点いた。しばらくそれを眺め、今一番飲みたいと思ったものを見つけて押した購入ボタン。

「ガコンッ」

大きな音を立てて落とされた缶を取り出し口から取り出し、火照った首筋に当てて体を冷やす。買ったばかりの缶は思った以上に冷たく気持ちが良い。喉の渇きに耐えられずプルトップを起こし缶を開けると、飲み口に口をつけ中身を一気に煽る。冷やされた液体が体を通るのと同時に、体の内側から冷えていく感覚が心地よく感じ、先ほどの暑さが一変。吹く生ぬるいはずの風ですら涼しいと感じられるようになった。

この文章は、先ほどのモノに比べて直接的な表現が少なく、若干くどい印象があると思います。

ですが、どういう状況なのかは伝わってきませんか?むしろ、直接的な表現をしないことで、どういった種類の暑さなのか、この人物がどのようなスピードで歩いているのかは、前述した書き方よりも分かりやすいと思います。

もちろん、これは個人的な主観ですし、好みの文体の差でそう感じない場合もありますが、言葉を使ってリズムを作ることで、話の中の時間や早さ、空気を意図的に作り出すことが出来るんです。

 

ところで……この後から書いた方の文章ですが、漢字が多いですが、読みにくいのでしょうか?

単純に読みやすさから答えると、「読みにくい文章」であるとは思います。ですが、お話を読むという意味では、全く伝わらないダメな文章ではないと思います。

 

と言うことは、読みにくい文章って本当は読みにくいわけじゃないってこと?

先ほど、読みにくい文章の特徴はこのような感じでしたと紹介しましたが、この中のいくつかは、読みにくいと感じない人も居る項目が含まれています。

それがどれなのかというと、 文章(一節)が長い・句読点が少なすぎる以外の全てです。

 
そんな馬鹿な

句読点が少なすぎる以外の全てが該当すると聞いて、嘘だと思う人は多いと思いますが、実は嘘じゃありません。

それは何故かというと、書き手と同じように読み手にも、読みやすいと感じる好みの文体があるからです。

例えば、説明がクドいと思ってしまう文章を苦手と感じてしまう人が居る一方で、設定が詰まっている・説明がしっかりされている方が安心して読めるという人はいます。

台詞ばかりが続いている文章が苦手と思う人が居たとしても、地の文が苦手だから、台詞だけでまとめて貰った方が読みやすいと感じる人もいます。

表現がつたないという部分だって、文章に勢いがあれば、気が付いたら全て読んでしまっている事もあります。

漢字が多い文章が好みと言う人も居ます。言い回しが難しい文体が好きという人も居ます。人称がぶれる書き方をされても、違和感なく読んでしまうこともありますし、画面の切り替わりに対して疑問を持たない人だって居ます。

なので、この項目に該当する文体だから絶対に読みにくくなってしまうという訳では無いんです。

でも、何故読みにくいと思われている文章を、普通に読む事が出来る人がいるのかというと、それは、今まで読んできた本の書き方に影響を受けるから

小説は、ジャンルによって文体が結構違います。また、男性作家が書いた文章と女性作家が書いた文章でも文体は異なりますし、書かれた年代によっても文の構成は変わってきます。勿論、日本人の小説家が書いた文章と、外国人の作家が書いた小説を翻訳した文章でも、文体は結構大きく違ってきます。

このように、興味を持って読むジャンルや作家によって、自分が心地よいと思って読める文章のバリエーションが増える訳です。

なので、一般的に読みにくいと思われている文章でも、読み手によっては物足りないと感じられてしまうこともあったりします。

とはいえ、これらの文章が好みという人は、多分少数派だとは思いますが。

 

じゃあ、何故読みにくい文章が出来てしまうんだろう?

 
じゃあさ。読みにくい文章が、読みにくいと感じないって言われたら、じゃあどれが本当に読みにくい文章って事になるんですか?

ってことですよね。と言うわけで振り出しに戻ります。

相手に読みにくいと思われてしまう文章って一体何だろう?っていうことですが、実はコレ、とっても単純な事なんです。

作った物語が読みにくいと感じてしまうのは、その文章から場面が想像出来ないと感じてしまうから。

これは、小説のルール通りに構成した読みやすいと言われる文章で書こうが、自分の好みで思いのままに作った小難しい文章で書こうが関係なく起こることで、読んだ文章から場面が想像出来ないから、読んでも面白いと思えない・読みにくいと感じてしまうんです。

読みにくいというよりは、どちらかというと、好みがあわない文章という方が正しいのかも知れません。

文を読んで、どういう場面なのか、どういう心境なのかが想像しにくい物語は、物語に対して共感を持ちにくいですし、キャラクターに感情移入することが出来ないことが多いですよね。ここが、読み手に物語が面白くないと思われてしまう一番の理由ということ。

なので、面白い文章を作ろうとすると、言葉にリズムを付けて、言葉が入ってきやすいように工夫する必要があります。でもそれは、単純に文章を読みやすくすればいいというわけではありません。

どういう言葉を使って、どういうドラマを相手にみせようと思っているのかを、文章として理解しやすく組み立てるということなんです。

その時に、漢字を多めに使って組み立てるのも良いですし、回りくどい表現で組み立てるのも有りです。その文章から、書きたかった物語のイメージが伝わるのであれば、若干読みにくくなってしまったと思われる文章でも、読み手は素直に読んで受け止めてくれます。

 

文中に難しい漢字があったって、読まれるときは読んでもらえる。

文章中に普段使わないような難しい漢字や単語があっても、文章が伝えたいイメージを汲み取って貰れば、物語は読んで貰えます。

何故なら、読めない漢字を飛ばして読んでも、前後で話の流れが推測が出来るのなら、その言葉が邪魔だと感じない場合があるから。

なので、表現を削ってまで読みやすい文章を作る必要って、実はそんなに無いんじゃないかなと思っています。

自分にしか出せない文章の魅力は、本当にルール通りに構成して作った、読みやすいという感想だけしかもらえない文章ですか?

また、その方法でしか物語を表現することは出来ないのでしょうか?

もしかしたら、そうじゃないのかもしれません。

どうしても書きたい文体や表現があるのでしたら、それを上手く生かすように言葉やリズムを工夫してみたりする方が、できあがった物語はもっと深みがでるかもしれませんね。

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