オンデマンド本表紙はPP/PPマット加工した方が良いと思う!

表紙はPP/PPマット加工した方が良い

前回、オフセットとオンデマンドの事を書いたのですが、その流れで本日はオンデマンド印刷で本を作る人にちょっとしたお願いというか、個人的なワガママでも。

前回の記事はこちらから。

 

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本を作る場合、オフセットで作りますか?オンデマンドで作りますか?

 
さぁ!本を作るぞ!

そう意気込んで原稿作業を進めていると思いますが、じゃあ、印刷はどうしようと考えたとき、オフセットにしますか?それともオンデマンドで作りますか?

まぁここは、在庫の状況とお財布の状態で色々相談して決めることが殆どだとは思いますが、大手さんじゃない場合、気軽に作れて、締め切りや部数調整にも融通が利くオンデマンドを選択する人も多いと思います。

前回の記事でオフセットよりもクオリティは劣るとは書きましたが、それでもオンデマンド印刷の仕上がりは自家製本よりはとても綺麗です。

それに、印刷所で作ってもらった本は、オフセットに見劣りしないくらいしっかりしたモノで納品してもらえるので、むちゃくちゃ品質にこだわるっていう人じゃ無い限り、オンデマンド本でも読める嬉しさや楽しみは、オフセット本とそんなに違いはありません。

そもそも、在庫が100部は結構多いなと思う事は多々ありますよね。

それなら、少部数だけど金額が割高だったり、わざわざ多い部数を作ってコストを下げたりしないといけない、オフセット印刷を選んで本を作る必要はそんなに無いと感じてしまいますよね。

なので、オンデマンド印刷が苦手としている原稿(ベタが広範囲だったり、色再現が難しい原稿だったり)で本を作成してしまっている人じゃ無い限りは、オンデマンド印刷を選んで本を作るよという人も多いのではないでしょうか。

 

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そこで一つ、お願いがあります!表紙にはPP/PPマット加工をしようぜ!

オンデマンドで本を作る皆さん。本を作るときは是非PP加工やPPマット加工をして欲しいのです!

オプションに無料でフィルム加工がある場合は、必ずフィルム加工をお願いした方が良いと個人的には思います。というか、やって欲しいと切実に思っています!

 

何故フィルム加工をした方がいいの?そのままじゃダメなんですか?

自分が全力でオンデマンド印刷表紙にPPフィルム加工をして欲しい理由は、オンデマンドの印刷方法に理由があります。

オンデマンドはオフセットと違い、高性能レーザープリンターを使用して紙に印刷をしていきます。

オフセットは、インクを紙に浸透させて印刷をするのですが、オンデマンドは、トナーを紙に熱で焼き付けて印刷をしていくんです。

で、このトナー。実は条件が揃うと剥がれてしまうことがあります

良いですか?条件が揃うと、トナーが剥がれてしまう事があります!!大事なことなので2回言う。

 
剥がれるってどういうこと?

剥がれると言われても、イマイチピンと来ないかと思いますが、こういった経験ってありませんか?

 
デスクマットにコピーしたものを挟んで置いていたら、マットにくっきり印刷が写ってるんだけど!?

自分もよく経験しました。紙にあった文字が、別の所にくっついて紙が剥がれる現象を。

これは、転写と呼ばれる現象なのですが、トナーの性質上、条件が揃うと、印刷したはずの絵や文字が剥がれて、別のものに移ってしまったり、居なくなってしまう事があるんです。

参考に、トナー屋サンコーさんの記事をペタリ。

 

何故転写が起こってしまうんですか?

転写という現象が起こると言うこと自体はわかっていたのですが、それが何故かがわからずに調べてみたところこういうことだったようです。

トナーは合成樹脂のひとつです。

 
うん?

とは言え、印刷インキも合成樹脂を使っているようなので、トナーだけが合成樹脂というわけでは無いようですが、紙に浸透する印刷インキとは違い、トナーは紙の表面に乗っかっているものを熱で無理矢理くっつけているので、紙に浸透しているわけではありません。

で、この乗っかっている状態っていうところが、深く転写現象と関わってくるのでありますよ。

というわけで、先ほどのサンコーさんの記事から言葉をお借りして。

今、世の中は合成樹脂であふれていますが、合成という名の通りムリヤリ作った素材なので、長期間紫外線などに触れると分子が壊れていく習性があります。

サンコーさんのサイトを読んでいくと、このように説明がありました。どうやら、合成樹脂というものは、紫外線などや微量のガスで分子が壊れてしまうという習性があるとのことです。

で、その習性がある印刷物が一定条件を満たすとどうなるかというと、

同じ合成樹脂同士が重なった場合にも微量のガスが発生したりして樹脂の分解が進むのです。トナーとデスクマットがその例で、分解が起こってすぐにお互いがくっついてしまいます。

合成樹脂同士が仲良くなって片方について行ってしまうと。そういうことのようですね。

つまり、トナーを利用している印刷物は、トナーの分子が分解されてしまう状況が揃ってしまうと、別の媒体に、印刷した表紙やページがくっついてとんでもないことになるということです。

 

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え?でも、そんなに簡単に剥がれたりとかしないでしょ?

 
最近の印刷機は性能が良いので、そう簡単にトナーが剥がれることってあり得るの?

そう思うかもしれないですが、実はそうでもありません。剥がれるときは容赦なく剥がれます。デスクマットはもちろん、合皮のスマフォやタブレットケース、PPマットフィルムなどでも、この転写現象は起こるんです。

そして、その剥がれてしまったものは、簡単に剥がせませんし、剥がれてしまった方の本は、修復は絶対に出来ません。(場合に寄っては紙ごと持って行かれます)一度剥がれてしまうと、本自体が壊れてしまうんです。

コレを防ぐ為には、一冊ごとにビニールカバーに入れるなどして管理をしたりしないといけないのですが、本を読んでくれる人がみんなカバーを掛けてくれるのかというと、それは人それぞれですよね。

 
やってしまった……

と思って諦めてくれる人も居れば、

 
げっ!?くっついてる!!最悪だ!!

とイラッとしてしまう人も居ると思います。

何よりも、表紙が剥がれてしまった本はとても見栄えが悪いです。読み返す度、あのときの自分は何故カバーを掛けなかったのか……と落ち込んだりします。

なので、ちゃんとした印刷だから大丈夫!と思わず、オプションでフィルム加工があるなら迷わず使うべき!なのです!!

 

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仕上がりがマットに見えるオンデマンド印刷は転写が起こりやすい気がする。

コレは個人的な印象なので、本当にそうなのかという実験はしていませんし確証はなく、経験談だけでまとめているので、読み流す程度で気にしてもらえたら的な話をします。

レーザープリンターは、各メーカーによって仕上がったときのトナーの見た目が若干違います。

オンデマンド印刷で割とよく使われているメーカーは、一番多いのが富士ゼロックスさん。色の再現で評価が高いのがOKI電工さん。コンビニなどで導入されているキャノンさんやリコーさん、コニカミノルタさんなどが有りますが、印刷所で最も多く導入されているのが富士ゼロックスさんの機械になります。

ちなみに、同人屋に優しいコンビニセブンイレブンさんで扱っているのも、富士ゼロックスさんの機械です。

OKI電工さんの機械は、小さめの出力サービスセンターや、デザイン会社などで使用されている事が多いです。

スーパーやコンビニなどは、リコーさんかコニカミノルタさんが多めで、たまにキャノンさんだったりします。

まぁ、それは置いといて。

 

紙に印刷したとき、ゼロックスさんやリコーさん、コニカミノルタさんのトナーは、仕上がりがマットに見えます。OKI電工さんの仕上がりはというと、少しテカリが強い感じです。

紙の表面を触ってもらってもこの違いはわかります。ゼロックスさんやリコーさんの印刷物は、サラッとしているのに対し、OKI電工さんはちょっと油というかワックスがかかったような感じの手触りです。

紙を触る事を考えると、テカリの少ないマットな印象の仕上がりが好ましい様に思いますよね。

でも、転写の部分で考えると、ワックスがかかったようなテカリのある印刷物の方が、転写は起こりにくい気がします。というのも、こういうことが過去にあったから。

 

本当にそうなるのかという実験はしていませんが、経験談として、オンデマンド印刷の本の表紙が合皮にくっついてしまうのは確認出来ています。これは、ちゃんとした印刷所で印刷している本で起こった現象なので、ゼロックスさんのオンデマンド機で印刷したものだと考えられます。

また、自分でつくったコンビニコピー本を長い間プレス状態で在庫保管していたところ、ページとページがくっついてしまう現象も確認できました。発行がコンビニコピーなので、コンビニで取り扱っている機械でこの現象が起こったことは確実です。

一方、OKIさんの印刷物はというと、実はこの転写現象は確認出来ていません。どうも表面のワックス的な手触りが転写を防いでいるっぽい?この辺りは、材料揃えてちょっと実験してみたいと思うトコロなので、分かり次第追記していきます。

 

紙によっても転写が変わる?

確証が無い話その2として、使用する紙で転写の起こり方が変わってくる印象はあります。

転写が最も起こりにくいのは、コピー紙や上質紙などで、起こりやすいのがアートポストなどの表紙で使用される特殊紙と呼ばれる紙です。

また、転写とは違いますが、表面がエンボス加工されている紙やトレーシングペーパー、クラフト紙などは、印刷したトナーが剥がれやすい傾向もあります。

これ、多分、圧着の具合によって変わってくるんだと思われるのですが、紙の表面に加工がされていれば居るほど、トナーが紙に圧着されにくくなってしまい、剥がれたり転写されたりしやすくなるのでは無いかと。

 

結論として。発行した本を守るためにも、表紙にはフィルム加工を!

という感じで、色々書き散らかしてしまいましたが、言いたいことはコレ!

せっかく本を作るなら、綺麗な状態で持っておきたい。だから是非表紙にPPかPPマット加工をして下さい!

じゃないと、印刷された絵やお話が、他の所に飛んでいっちゃいますし、他の作家さんの本に影響が及ぶ場合があります。

オンデマンド印刷って便利だけど、こういうこともあるんだよと言うことが伝わってもらえますようにと願いを込めて。

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